処分困難な物件でもあきらめない不動産屋さん

弊所(竹中行政書士事務所)が受けた相続案件にまつわるお話しです。

相続開始から10年経過しているものの、遺産分割協議が進展せずに困っておられる案件でした。

相続財産は、宅地と建物と畑。
協議が進まないのは、誰が取得するかでもめているからではなく、誰も欲しくないから積極的な話し合いにならないというのが実情のようです。
建物は、築50年、空き家となって10年経過しており、不動産としての価値はほとんど残っておらず、農業をする人もいないので、畑をもらっても困るからなのです。

しかし、建物がどんどん老朽化し、将来、崩れたり一部が飛散して他人に損害を与えたりしたら大変です。いつまでも放置するわけにもいかないということで弊所に相談がきました。

解決の方法は、ざっと次の3つと考えました。
①相続人のうちの誰かが相続する
②建物の取り壊しだけでも済ませておく
③第三者に譲渡する

これらの不動産を欲しいと思う相続人が一人でもいてくれたら、すんなりと所有権移転ができるのですが、誰も欲しくないので積極的な話し合いになることがなく今日に至ったわけですから、①の案は実現不可能。

②については、地元の業者に解体費用の見積もりを取ったところ、300万円~350万円となかなかの高額。

③は、当該物件の近隣や地元の知り合いにお声をかけていただきましたが、誰からも良い返事をもらうことはできませんでした。

結局、相続人さん達と弊所がとった手段は、地元以外の第三者に譲渡する道を探りつつ、それもダメだった場合に備えて建物解体の準備も並行して進めるというものでした。

そして、日本中から引き取り手を探していただくため、ばんぜん総合サポートのメンバーであり、宅地建物取引業免許をお持ちの高橋さんが登場。
相続人さんと媒介契約を結んで約半年後、見事に譲渡先を見つけてきてくれました。しかも畑もセットで。

売却益はほとんど出なかったものの、建物を解体せずに済んだだけでも数百万円の費用が浮いたわけですから、相続人さんたちはみんな大喜び。長年の悩みが解消し、最高の結果を出してくれたとのお言葉までいただきました。ホントに良かったです。

近年、空き家問題が各自治体単位で問題になっています。
また、相続で農地を取得したものの、自身は農業をしないので手放したいのだけれど、なかなか処分できずに困っている相続人の方が増えてきています。
そういう意味でも、空き家と農地が一度に処分できたのは幸運なことでした。

今回、高橋さんの仕事を間近で見ていて感じたのは、「この案件、何とかして解決してあげたい」という熱意でした。
処分困難物件は、労力がかかる割に収益が上がらないものですが、割に合わないからといって早々に諦められてしまっては、建物取り壊しなどで相続人さんが大きな経済的負担を負わなければならなくなったことでしょう。
さすが、我がチームが誇る専門家さんです。

空き家と農地の問題は、今後も増加するものと思われます。
今回は、障がい福祉と直接関係のないお話しとなってしまいましたが、空き家・農地のことで困ったことがあったらばんぜん総合サポートまでご相談ください。



【この記事を書いた人】

竹中永健

竹中永健
株式会社ばんぜん 代表取締役
行政書士
ラジオパーソナリティー

「障がい者の方やそのご家族が安心して暮らせる社会」を目指して、ハートがある専門家と連携し「障害福祉事業の総合サポート」をしています。その傍ら、ラジオ放送局「ゆめのため」のラジオパーソナリティーとしてゲストさんの夢を応援する活動も実施中。
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