法人住民税の減免について

先日、知り合いの社長様から
「一般社団法人が役員に報酬を払ったら法人住民税の減免対象でなくなってしまうのか?」と質問をいただきました。

一般社団法人は、公益的な響きのある名称のせいか、福祉(的)事業を運営するために検討・選択されることの多い法人格だと感じています。

また、株式会社との相違点の一つとして、非営利型の一般社団法人であれば法人住民税の減免(減額・免除)対象とする自治体があることが挙げられます。

この記事では、一般社団法人の住民税の減免について、大阪府の場合を想定してお話ししていきましょう。

減免される額は、均等割額の全額となる20,000円です。
減免の対象となるには、「収益事業を行わない非営利型法人」であることが要件となります。
収益事業とは、政令で定める次の34事業のことをいい、継続して事業場を設けてこれらの事業を行うと収益事業を行っている事業所ということになります。

1物品販売業 2不動産販売業 3金銭貸付業 4物品貸付業 5不動産貸付業 6製造業 7通信業 8運送業 9倉庫業 10請負業 11印刷業 12出版業 13写真業 14席貸業 15旅館業 16料理店業その他の飲食店業 17周旋業 18代理業 19仲立業 20問屋業 21鉱業 22土石採取業 23浴場業 24理容業 25美容業 26興行業 27遊技所業 28遊覧所業 29医療保健業 30技芸教授業 31駐車場業 32信用保証業 33無体財産権の提供等を行う事業 34労働者派遣業

さらに政令では、非営利型法人を次のように定義付けていますので、収益事業を行っていないこととあわせてこの定義に合致する必要もあります。

一 その定款に剰余金の分配を行わない旨の定めがあること。
二 その定款に解散したときはその残余財産が国若しくは地方公共団体又は次に掲げる法人に帰属する旨の定めがあること。
 イ 公益社団法人又は公益財団法人
 ロ 公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律(平成十八年法律第四十九号)第五条第十七号イからトまで(公益認定の基準)に掲げる法人
三 前二号の定款の定めに反する行為(前二号及び次号に掲げる要件の全てに該当していた期間において、剰余金の分配又は残余財産の分配若しくは引渡し以外の方法(合併による資産の移転を含む。)により特定の個人又は団体に特別の利益を与えることを含む。)を行うことを決定し、又は行ったことがないこと。
四 各理事(清算人を含む。以下この号及び次項第七号において同じ。)について、当該理事及び当該理事の配偶者又は三親等以内の親族その他の当該理事と財務省令で定める特殊の関係のある者である理事の合計数の理事の総数のうちに占める割合が、三分の一以下であること。

上記政令で定める要件の一と二が定款の内容に言及していることに注目してください。
定款とは、会社や法人の憲法ともいわれ、設立手続きにおいて最初に作成すべきものです。非営利型法人とするのか、そうでない法人とするのかによって定款の作り方が変わってくる場合がありますので、気を付けていただきたいと思います。

冒頭の社長様の質問へのご回答としては、「役員に報酬を支払うことのみをもって非営利型法人に該当しなくなるわけではないが、過大な報酬を支払うと特定の個人に特別の利益を与えたとみなされ、非営利型法人と認められなくなる恐れがあります」ということになります。

公益という言葉に魅せられてしまうのか、公益法人等である非営利型法人にしたいと思ってご自身で一般社団法人を設立されたものの、実状は営利目的であり、事業を進めていくうちに「こんなつもりじゃなかった」みたいになっていった法人様にお会いしたこともあります。

その法人がどんな目的で、どんな事業を行うのか、ということをしっかり落とし込んだ定款としたうえで設立することがなにより大切であることは言うまでもありません。
間違いのない設立と運営のために専門家の意見も聞きたいという方は、ぜひ「ばんぜん総合サポート」をご利用ください。

(この記事は、行政書士で認定支援機関の竹中が担当しました)



【この記事を書いた人】

竹中永健

竹中永健
株式会社ばんぜん 代表取締役
行政書士
ラジオパーソナリティー

「障がい者の方やそのご家族が安心して暮らせる社会」を目指して、ハートがある専門家と連携し「障害福祉事業の総合サポート」をしています。その傍ら、ラジオ放送局「ゆめのため」のラジオパーソナリティーとしてゲストさんの夢を応援する活動も実施中。
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