第108回ばんぜんの会、オープンセミナー「みんなで話そう性のこと」を開催しました。
令和6年8月21日は、第108回ばんぜんの会でした。
今回は会員以外の人も参加OKのオープンセミナーとして、
「みんなで話そう性のこと」というテーマで小西理恵さんをメインスピーカーとしてディスカッションしました。
まず初めに、久しぶりの参加となる、生活介護の管理者をされているM氏から自己紹介。
その後、闊達で赤裸々で正直な気持ちを出し合って話し合いを行いました。
以下は要旨。
- 性教育を学んだ人は全体の1/2くらい。「人体」「生命」「生理」に関することが主要素になると思う。次のような声をよく聞く。今悩んでいること、恋愛、結婚、欲求、相談する人がいない、支援者の理解がない、男の支援者が女の利用者にサービスを提供することについて、障がい者もセックスをするの?、陰部洗浄をしたくないヘルパー(この声大きい)→皮膚トラブルになる。(小西)
- (セックスの)相手がいないのは誰でも一緒ではないか?(T2)
- 陰部洗浄を嫌がることは多いのではないか。(O2)
- 皮膚の一部である陰部洗浄をしたくないというのは有り得ない。訪看がさすがに気付いた体験がある。(O1)
- (管理者をしているが)この業界のことをあまり知らないが、陰部洗浄をしたくない人に強く言えないのはよくわかる。人材がいなくなる。(M2)
- AVで補った知識をどうしたら使えるか。(O3)
- 陰部洗浄は、看護助手をしていたころにやっていたが、遠慮して看護師に怒られたことがある。相談するところは本当に無い。放デイで10代のカップルが誕生したので、小西さんに対応してもらっている、(M1)
- 未だに解決しない。ちゃんと話ができないからどこでも性被害が起こり得る。ただし、性教育だけでいいのか?(S)
- ウチの事業所では、陰部洗浄は同性介助が基本。ヘルパーにも人権がある。もともと異性介助はしない契約とか有り得るのでは。(U)
- 元ガイヘルの立場から言うと、陰部洗浄はしないが、女性ヘルパーでも異性の排泄介助を行うことがあり、それを悪用する利用者もいる。指名されてカラオケボックスで襲われそうになった時「ヘルパーやろ」と言われた。だから異性介助をしたくないというヘルパーの言うこともわかる。男性利用者と1対1で個室に入るのは怖く、トラウマになった。陰部洗浄だけの問題だろうか?ヘルパーでない他の立場からの話を聞きたい。(T3)
- 母親を介護していた。入浴介助も最低限の陰部洗浄もした。定年前に大学の教員を辞めたが、普通、大学教員は辞めないと言われ、辞めるときはスキャンダルである場合が多い。高橋さんの話は衝撃だが、ありそう。去年、20代の男性と同棲したが、その気があるわけではない。長期的に多様な経験が必要。(T4)
- コロナには龍角散のど飴が良い。性の相談ができるところはホントに無い。3月に放デイの職員にアンケートを行った。適切と不適切の境があいまいなので指針が必要。多様すぎてそれぞれにどういう対応をすればいいのかみんな困っている。個人に任すのは難しいので、専門的な窓口が要る。看護師として大ヤケドを負った女性を風呂に入れたとき、陰唇にウンコが残っていてびっくりした。それをちゃんと洗おうとすると陰唇を広げる必要があり、本人が嫌がった。男性も陰嚢にウンコが付いていることがあった。男性は包茎の部分の洗浄が全くできてない場合もある。これらは病気の原因になる。従業員に辞められたら困るので、辞めさせないでちゃんとやるにはどうすればいいのか。(N)
- 現場にいたとき、職員一人に利用者4人で泊り研修を受けた。一人ひとり風呂への入り方がどうなっているのかしっかり見ろと言われた。お湯につかるだけ、包茎の皮をむいて洗わない、などの人がいたので、自分でやって見せた。(M1)
- 三者面談をすると、(風呂の入り方について)母親が「子供の時はちゃんとできていたのに」と言う。(N)
- 動画が欲しい、包茎を洗う方法の動画などはないから。性風俗にもジャンルがあり、デリヘルがどこまでできるのかわからない人が多い。ヘルスも本番までしないと仕事がない人がおり、払ってくれたらと持ち掛けてくる女性もまたアブナイ。(小西)
- セックスに対する本人の理解の仕方に問題がある場合がある。彼女ができても1回目のエッチでみんな逃げていく。話を聞いたら、ロープで縛って吊るすのがセックスだと思っていたとのこと。双方の共通認識が大切。フツーてなんやねん、Lean on Meで動画を作ってほしい。(M1)
- 知的障害の方へのサービスで、ソファに手をついてと言われたのでその通りにしたら、尻を叩かれた。それがセックスだと思っていた。フェラチオの絵・図・イラストなど、トイレと一緒で視覚的な支援をしないといけない、セックスには両性の同意がいることも。高橋さんがされたことは犯罪になるが、本人は犯罪になることがわかっていない。性の学びの場が必要。(小西)
- 男はみんなそう、二人で出かけることを勘違いする。触ってくる人。視覚障害と言いながら「ホントは見えてるよね~」とヘルパー同士で話していた。移乗のとき触ってくるから手袋をして介助していたら、「なんで手袋すんねん」。どこから犯罪なのか?同性介助が理想だが、9:1で女性が多いヘルパーの世界。デートプランみたいなガイヘルを要求し、手をつなぐことを要求し、さらに手を絡めてほしいとか言ってくる。電話番号を調べられたり家まで来られたこともある。ただ、手をつながないと(飛び出しの危険性など)危ない子もいる。(T3)
- あなたの危機感が無いからだと上司から女性介助者が言われ、「じゃあ全員行かない」となった例がある。(M1)
- (それは犯罪と)教えてわからないものなのか?(T1)
- わからない人とわからないフリをする人がいる。小西さんのようなお店がありますよということを周知させる仕組みが広がったらいいと思う。(T3)
- (私の活動は)支援者側から悪く思われているとこもあるので、点が線、そして面になるよう活動する。(小西)
- 仕事なんやからせえよ、と思っていたが、ヘルパーにも利用者にも人権があり、管理者にも立場があると思った。(T2)
- 小西さんにはいつも学びがあるのに、なぜ反対する人が多いのだろう。未成年者にもコンドームの付け方とか教えるのも必要。マスターベーションのことをセルフプレジャーと呼ぶように変化してきている。(O1)
- 性の基準がバラバラだと思った。酒井さんは性に厳格だが今月はどう思ったか?(O2)
- 児童養護施設に来てもらう必要がある。さみしさから男性依存になり、望まない妊娠をする子がいる。(このような活動が続けば)そういった性の問題を越えられるかも。(S)
- スタッフにいかに勉強してもらうかが大事。生活介護だけしていたらいいねんと言うスタッフもいる。どこまでが生活介護なのか。(M2)
- ライン引きにくいところだと思う。みんなが理解できるよう、Lean on Meで何とか出来たらと思う。サービスを受ける側だから(何してもよい)という考えは、お互いがリスペクトすべき根本の問題。(O3)
- 言いたいことはいっぱいあるので、第二弾をやるとか、この会で出来ることをやっていきたい。(M1)
- 異性介助はダメとか言ったが、いろいろあるかと。意に沿わない異性介助をさせない(厚労省の)告示があったような・・(U)
- 障がい者の子がいるが、父(夫)が無関心。(T3)
- マイノリティな話になってしまう問題だが、確実に困っている人はいる。国立(の施設)でも「難しいね」で終わらせてしまう。本日は、性だけでなく介護の話に振ってくれたのはよかった。このテーマは定番にしたい。介護計画に性の時間を入れてもよいかと思う。(N)
- 犯罪になる行為は別としても、感じたことをストレートに表現する障がい者の方から学べることもあり、うらやましいと思うこともある。成人し、紳士的にふるまうことを覚えるが、男はホントは変態。無理やりでも欲望を遂げようとする本能があるから人類は滅亡しなかったのだと個人的に思っている。(竹中)
- 永健さん、女も変態ですよ。(小西)
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